走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

タイトルの通り、走ることについて語っている訳ではなくて走ることについて語るときに村上春樹が何を想うかが語られていると想う。
あとがきにもある、

僕としては「走る」という行為を媒介にして、自分がこの四半世紀ばかりを小説家として、また一人の「どこにでもいる人間」として、どのようにして生きてきたか、自分也に整理してみたかった。

走ることは小説家村上春樹が小説を書くために書かせない行為なんだそうだ。
最初は意外だったけど、本書を読むうちに納得できた。
小説を書くという行為は、予想以上にエネルギを使う。頭だけを使うのではなくて体全体の調子が良くなければ、どんどんしぼんでいってしまう。
小説を書くってそういうものなのか・・。つまり自分自身のエネルギをアウトプットするっていう感じなのかな・・
でもやっぱり村上春樹の文章はゆったりとした流れを感じることができて、読んでて落ち着く。