アンダーグラウンド

アンダーグラウンド (講談社文庫)

アンダーグラウンド (講談社文庫)

地下鉄サリン事件の被害者/関係者60人にインタビューをそのまま掲載した本書。
1995年3月20日に発生した地下鉄サリン事件。ちょうど中学3年生の時だ。死亡者13人、負傷者6300人の大事件だ。おそらく当時としてはよくニュースを見ていたはずなのだが、今となってはほとんど記憶がない。
本書では、被害者/関係者の生い立ちから事件発生当時の状況をインタビューしている。これを読んでいて思うことは、被害者の後遺症の予想以上の辛さだ。被害者は、大小それぞれあるが、数日から数年間まで後遺症に悩んでいる。当時は亡くなった方の印象しか無く、負傷者の後遺症なんてほとんど意識が無かったが、本当に怖い毒ガスだったのだ。
また、もう一つ不思議に思うことは、インタビューされた方のほとんどは普通の一般市民なのだが、その人たちの生い立ちから、趣味から、どういう人生を歩んできたかというのかが本当に面白いのだ。改めて一人一人の人生というのは、それぞれ紆余曲折があり面白い物なのだなと実感した。
そして、地下鉄サリン事件によって、それぞれの人生が大きく転換してしまったことを本書を読むとわかる。