渋滞学

渋滞学 (新潮選書)

渋滞学 (新潮選書)

渋滞と言って思い浮かぶのはやっぱり車の渋滞だ。
東大の教授が渋滞の研究をしていると聞くと、ずいぶん細かい分野を研究してるんだなあという印象があったが、本書を読むとずいぶん印象が変わる。
もちろん最初は車の渋滞の話があってそれについても凄い面白い。ただそれだけじゃなく、渋滞というのはいろいろな分野に応用される。人の渋滞、インターネットの渋滞、血液の渋滞、タンパク質の渋滞、山火事の渋滞などなど。
いろいろな物に渋滞は存在し、それらの解決が大きな科学進歩を成し遂げる。
元々著者は数学を研究しており、その数学の知識をより応用的な渋滞学という分野に適用することにより大きな成果を挙げている。最終章でも著者は、物理学と工学をつなぐ人材の育成の必要性を説く。確かにそれぞれが独立して発展するよりも両方を融合させて発展させたほうが画期的な成果が早くでそうだ。