経済成長という病

経済成長という病 (講談社現代新書)

経済成長という病 (講談社現代新書)

著者は言う。今の世界が市場原理主義的な経済政策を推進してきたせいで、サブプライムローンなんかの問題が出てきて世界が不況になっている。日本でも小泉竹中構造改革によって格差社会が広がり、非正規労働者は増え、若者に希望がなくなってきている。確かに、世界はこのまま経済成長を続けて行く事は無理だと思う。日本も人口減少が始まりそれに見合った国になって行くと思う。利益だけを追い求めて行くのは無理があると思う。だけど・・なんかこの著者の言っている事にちょっと腹が立ってくるんだよなあ。なんだろう。著者はこんなことを言う。
・・今のこどもたちは、半世紀前こどもだった私のように、無邪気な未来図を描くことができるのだろうか。もし、できるとすればそれはどんな絵になるのだろうか。実際に、こどもたちに未来図を描けと命じたことがないので、よくわからないのだが、私には、今のこどもたちにとって未来図を描けというのは、案外難しい課題なのではないかと思われる。・・(中略)・・想像をたくましくする他はないのだが、ロボットが何でもやってくれる社会、バーチャルリアリティの中での生活、あるいは反対に孤島でのロビンソンのような社会への憧れが描かれるのだろうか。よくわからない。よくわからないが、私にはそれがあまり楽しそうな絵になるとは思えないような気がする。
最初に言っておきたいのは、こどもをあんまりバカにするなということです。こどもは未来図を描くのなんて無邪気で楽しいに決まってるじゃん。著者は1950年生まれだから60歳くらいだろう。だとするといまあるような日本を若い頃中心世代として創ってきたんでしょ。それを他人事みたいに悲観して、さらにはこどもの想像力をバカにして、そんなところに腹が立ったような気がする。