光文社新書での前著、「
お金は銀行に預けるな」では、貯蓄しかしない日本人へ投資によるメリットをうたっていた。基本的には、個人への内容だった。そして、今回タイトルだけを見ると同じように個人相手にリスク
リテラシーを磨く事の大切さをうたっていると思って読み始めたんだけど・・。この人、もう見つめる先は、もっと大きな物に向いている。日本という国を、世界を憂いている。著者は言う「日本が停滞する「すべての原因」は終身雇用制度にあり」と。終身雇用制度の中で一生を一つの会社で終わる日本人をリスクの高い人生であり、転職するほうが逆にリスクは高くないと。日本人よ転職せよと。しかし著者も言っているように、日本のほとんどの企業が終身雇用制度をとっている現状では、転職する事により収入を増やせる人はほんの一握りでしかない。現実は転職をするたびに収入が下がる。どうすれば良いか。ここから著者の提案が始まる。日本という国を変えるしか無いと。終身雇用制をやめるしかないと。そのためには、国民全体の
ボトムアップが必要であり、国民全体がリスク
リテラシーを磨くしか無いと著者は言う。最後には、
道州制、年末調整の廃止まで話が及び、著者の国を憂う気持ちが十分に伝わり本書は終わる。相変わらず、読みやすい文章でさくっと読めちゃうし、いろいろ考えてるし、やっぱりこの人スゲエっすね。
